狂氣かな斷念といふ矜恃持ち唯只管ただひたすらに己に我慢す 獨りにて夕餉食べてしショパン聽く葬送流れて故親こ しん嗤ふか ユモレスク流れ耽るは過去未來取り殘さるは今の吾のみ 獨りゐて鬱たる氣分抱へてはアルヴォ・ペルトの莊嚴 …続きを読む 狂氣かな斷念といふ矜恃持ち
前衛俳句を論考するに及びよく聞かれることがある。その俳句たるやもう亡び去ってどこにもないではないかと、よく聞かれる。確かに…そのように正面切って詰められると答えに困ってしまうことがある。答えと言っても理論らしく説明したところで解ってもらえるような単純なものでないのが前衛だと思っているので別に気にはならない。ただ言えることは誰にでも作れるものではない句。過去より現在までにおいて誰も作ってはいない句、その人のみの独特の発想なり感受で、その人でなければ絶対作れない句が前衛俳句だと、私は思っているから現在も前衛俳句は人それぞれにいっぱいあると思いたい。ところで当時、物議をかもした前衛俳句と呼称された作品が如何なるものであったかを紹介することから論考に入りたいと思う。雨をひかる義眼の都会死亡の洋傘島津亮帰る円盤孵る...前衛作品俳句考…その意味するもの(再掲載)
葉桜に無常の焔ほむら時の窯変ようへん 生成系AIで身の丈以上に櫻散る 分け入っても静寂の海坂本龍一の遺作 過去溢るAI隆盛未来狭む春 行く春や夢幻空花む げんくうげに生見たる 去来現こ らいげん滅茶苦茶の中春だけは行く …続きを読む 葉桜に
淨土の門探し倦あぐねて迷子へと待てよと思ひ浄土此の世か 混迷の世で花鳥風月詠む餘裕ありや詠めるは生死の境運命の綾 シシュポスの永久と わの勞役する姿胸打つ悲哀重なるは吾や 夢魔襲ひ夢の中にて諮はかられる自同律をば頗すこぶ …続きを読む 淨土の門探し倦ねて迷子へと
未来詰む生成系AI蔓延る朧月 櫻散り友死んだ夜生暖かし 駆ける雲花散らしの雨吾も流せ AIといふパンドラの匣はこ開けし春暁 AI旋風吹き荒れる恐慌の春 春の山若葉ほろりと鮮烈に 葉桜に宵の明星皓皓と
燃ゆるやう楓若葉の立ち姿風吹き搖れては焔ほむら煽られ 生見たる夢幻空花む げんくうげの幻視にて幻まぼろし逆卷く奔流の中 存在が憧あくがれ出たか陽炎は魂のみぞ地を闊歩する 胸躍る大渦逆卷く闇の闇呑まれて嬉し異宇宙見たさに …続きを読む 燃ゆるやう楓若葉の立ち姿
私の少年時代の俳句の師匠、伊丹三樹彦は、私達に俳句を作ることの意義や目的を、克明に示し続けた俳人だった。その目的とは俳句で私を語る、私の思いを詩情で奏でる純粋性を多くの若者に示す人であった。極限した言い方をすれば作者個々人の思考をはっきりと示すことであったように思う。謂わば生活俳句の実践であり、作者本人の思考に純粋性の方向性をもたすことであった。…これら一連の私の心を純粋に導く方向性を分かり易くすること、そのことそのものを私性の句体と言えるのだろう。「青玄」一〇〇号で主宰者・伊丹三樹彦としての立場での発言、その中で次のように明記されていた。隠れているものまで見えたように書くこれは従来からの見えているものを見えたままに書くと言う素朴リアリズムの思考に対しての発言であったのだ。つまり従来からの写実主義に対して...隠れているものまで見えたように書く
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