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路上詩人ブログ村 過去記事

  • ダウンフォース

      空中にばら撒かれた葉脈のような物体が痙攣のように蠢いている、そんな幻を見つめているうちにいつの間にか数時間が経過していた…数時間が―右手の人差指の爪で目の脇を掻いたら細かい傷がついた、血すら滲んでいた、だから爪を切る事に決めた、爪切りの音というのはどうしてあんなに間が抜けているのだろうか?いくら考え込んでも答えが出るような話ではなかった、爪を切る音になにかしらの違和感を覚える方がどうかしているのだ、そんなものにどんな意味も求める必要はないというのに…疑い始めるとなにもかもがおかしく感じてしまう、現象そのものの綻びを求めるようになる、自覚がないままに血眼になって、変異の地平をうろついてしまう、時々なんて厄介な性分だろうと思う、けれどそんな逡巡の中で、幾つかは誇るべきものも手に入れてきたというのも事実では...ダウンフォース