昔作った詩と、最近の詩
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
「千華音ちゃん、あのね。わたしのこれまでのわがままなお願い、聞いてくれてありがとね」ううん、わがままなんて、そんな…。千華音が首を振る。そんな今更、お別れみたいなことを切り出すなんて。これまでのお付き合いの想い出をまとめて、片付けるような、そんな言葉を言わないで。私たちにはまだあるの、まだひと月はあるの。想い出はまだ生まれて、花ひらいて、また続いていくの。なのに――悲哀の帯びた目つきをしてしまう千華音。媛子は、先ほどから握りしめた巻貝を見せてくれたのだった。「巻貝ってね、種にもよるけれど、ほとんどが右巻きなんだよ。左右が鏡像でどちらも等しくあるって思われていたけれど、そうじゃないんだって。でね、千華音ちゃんがくれたのは、左巻きの貝。すごく珍しいものなんだよ」「そうなの…?媛子の髪の色に似てるから、きれいだと思っ...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(十二)
媛子と千華音にあの運命の儀式が迫る!神無月の巫女のスピンオフ漫画版「姫神の巫女」『電撃マオウ』誌にて連載中!********姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十二話:わたしはあなたの貝になりたいを更新しました。「貝殻ってね、耳に当てると懐かしい音がするの。たぶんね、言えなかった言葉を封じておくためのおまじないの道具なんだよ。ほら、聞こえない…?」――どんな運命にだって、神さまにだって負けっこない。ふたりのこころは繋がっているから。今度うまれかわったら、ただ、おなじものを笑って、泣いて、ありふれた時間を過ごすだけのふたりでいたいよ――。********御霊鎮めの儀を前に、お泊り経験もした媛子と千華音に訪れた、とあるささやかな異変。直筆サイン色紙応募を機に書いた、姫神の巫女二次創作小説第一弾。※二次...★姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十二話更新(了)★
クリスの嬉しそうな声がする。 『ふふふっ、今日は特別にカナダから出れるぅ』 『え、そうなの?』 すると、クリスはとんでもない事を言ってきた。 『マサ。君の護衛として、我が国の国境隊が1個大隊護衛する』 『はあっ?』 『で、私も一緒にニューヨークへ行く』 すると、二人の疲れた声が聞こえてきた。 『もう、ほんとに大変だったんだから』と、デイブだ。 『クリスはね、本当にサド王様だよ...
週に一回のカウンセリング開始からひと月半ほどたったころ、またゆり子の睡眠障害の話がでた。夜寝られないので主治医から睡眠剤を処方されているが、出来るだけ依存しないようにしているとこれまでも何度か話していた。 「寝られない原因は仕事のストレス以外に何かありますか。例えば夜カフェインを取るとか。お酒をたくさん飲みすぎるとか」 もう一度こう聞くあかりに、 「私、片づけられない女なんです」 と、意表を突く答えがゆり子の口から飛び出した。 「掃除する元気もないから、家の中がグチャグチャだし。テーブルの上には郵便がうず高くたまっていて...そこでご飯を食べることさえできません。中には重要な書類もあるはずだけど、どうしても手が付けられない。それが気
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
これはやばい。 今の内に、まだ理性が保っている間に行動しないと。 そう思った嘉男はベッドから降りながら声を掛けてくる。 「朝飯は簡単なのでも良いか?」 「は、はい、良いです」 え、作ってくれるのか、この人が? ぎゅるるるるる……。 またもや聞こえる、盛大な音が。 その音が聞こえたのだろう、今度はさっきよりも盛大な笑い声が聞こえてくる。 「わはははっ……。はいはい、そう急かすな。すぐ作って...
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
バスが来るまでの間、君の他愛無い話に耳を澄ませた。騒音を擬人化したタケルも、すぐ卑屈さに空気を変えるマサヤも今日は居ない。君を独り占め出来る嬉しさを思えば…
タイトルから予想される通り、今回はいささかいかがわしいお話をします。お嫌いな方は回れ右してくださいね。ちなみに、これはあくまでも個人の性癖のことなので、反論の余地はあるでしょう。ツイッターやピクシブなどでは、18禁ものの二次創作物はフィルター掛けで排除できるようになっているみたいです。「センシティヴ」などというスマートな表現にされていますが、要するにエロですよ、ってことですね。私は字書きではエロものを書いたことがありますが、絵ではありません。さすがにアニメ雑誌にイラスト投稿していた時代は純情な10代でしたので。当時、ちょっとアダルト向けなセーラームーンの同人アンソロジーなんかでも、胸がチラ見しただけでどきどきしてしまうような。今となれば、まあなんと初心だったのでしょう。私が18禁ものの二次創作を見かけたのは、ネ...二次創作の18禁とそうでないものの境はどこにあるのか
近江和双磨はこれ以上、いったい、なにを暴露しようとしているのだろう。殺気を薄めたとはいいながら、千華音は糸を張ったかのごとく警戒を解くことはなく、媛子はといえば招かれざる来訪者に怯えのまなざしを保ったままだった。なによりも、さきほどのあのスマホの画像、あれをどうするのか――。しかし、どうしたことだろうか。「彼」はやおら、そのスマホの画面を、首もとに毛皮のごとくまとった蛇どもに噛ませてしまった。九の鎌首はそれを奪い合うようにして砕き、液晶の破片があたりに散らばる。千華音も、媛子も、意外なことにおおきく目を見張った。そして、互いに瞳を結び合わせた。その姿はなにを意味しているのだろう。いずれこのままでは、大蛇神に飲み込まれるということなのか…。「珍しいですね、御観留め役。この度の不手際、寛容にもお見逃しくださると…?...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(十一)
(画像版権は原作者・介錯先生のツイッター@Kai_Seven_にあります)アニメ「神無月の巫女」U-NEXTで好評配信中!漫画版「姫神の巫女」も絶賛連載中!********姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十一話:願わくば、君の胸にてわれ死なんを更新しました。妖艶な笑いをますますもって濃くしながら、千華音と、その後ろに隠れた媛子とを、値踏みするように交互に眺めやる近江和双磨。男なのか、女なのか、わからない妖精のような不気味な色気がある人物。きっと、どちらにも、君が生き残ってほしいと持ち掛け、けしかけ、争わせて、私たちの暗黙の誓いを破らせようとしてきたのだろう。互いを競わせ、憎ませ、血みどろになりながらの結末を、闘鶏を眺めるようなつもりで、愉悦に浸かる顔してこいつは望んでいるのだ。「ただ、…そうだ...★姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十一話更新★
週が変わった翌週の火曜日の午後。 俺はスーツを着て履歴書を持参して、あるスポーツジムに入っていく。 人事担当と面接をして入社試験なるものも受けて、その場で即決された。 4月からの正社員としての雇用となった。 3月末までには住む所を決めて、4月には教えるようにと言われた。 夕方近くになり、スポーツジムの所長は人事担当者から報告を受けた。 「中高大では水泳バカと名が付くほどの有名人で、自分も知...
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
「とにかく儀式はきちんと進めてくれたまえ。勝つ者がいて、負ける者がいる。それが変わらない真実。勝って嬉しいのか、負けても素直にうけいれるのか、それは君ら次第。だけどね、島にはあの秘儀はなくてはならない。舞台の役者が臆病風に吹かれて逃げたんじゃ、観客は困るのさ。うるさい長老衆にせっつかれて困っているからね」スマホの画面をちらつかせながら、脅迫めかした口調で、御観留め役は念を押す。「御意」と手短に、渋みを利かした声で答える千華音。「謹んで、ご忠告痛み入ります」と、やや透き通った声でかしこまった媛子。両名ともしおらしくしているのは、このふたりだけの時間を壊されたくはないからだった。私たちには、あとひと月しかない。一秒だって惜しい、誰にも入り込まれたくはない。近江和双磨は、千華音が媛子の家へ親友面で出入りしているのを島...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(十)
2020年の11月下旬に、ツイッター上で二次創作がトレンドにあがりました。同人界でよくある学級会が起こったようです。野次馬根性で覗いてみると、とあるプロの漫画家が自作の二次創作をされるのを嫌がる、それを喜ぶ世間の風潮がいやだ、という内容でした。この意思表明は、すぐさま、ツイッター上に雨後の筍よろしく現れた商業漫画家の「私は二次創作OKです」の反論によって、つぶされてしまいました。匿名ではてなブログに書かれ、数時間後に消去されたものだったので、愉快犯らしいとみる向きもあるようです。真相は不明です。ところで、当時、私もその「お気持ち表明」に対する異議申し立てなる記事をいきおい書きましたが、すぐの投下を控えました。といいますのも、作家業もタレント業もそうですが、そうした人気稼業といいますのは、自分たちの業界人よりも圧...愛が激しすぎる二次創作者どもはいつか毒者になる?!
「おやおや、何を今更。怒るのはお門違いだよ。御観留め役は大蛇神さまの『目』だからね。御神巫女たちがお務めを果たすのかどうか監視するのは当然だよ。それとも、見られちゃマズいことでもあるのかなぁ?」そうだ、こいつは島から派遣された正式な監視者にして、儀式の執行役のひとり。見張っているのはおかしくはない。やめてくれとも言えない。しかし、こいつは今までふたりして一緒のときには、ついぞ現れることなどなかった。なぜ、今になって?まさか――予定が早まったのか?!「いつまで、おままごとを続けるつもりなのかと思ってね。どうせ、皇月の御神巫女は、そこの日乃宮の、少しでもその笑顔を見ていたいから、興味のあるふりをしていただけなのに」「それは、私たちふたりが取り決めたこと。御神巫女の儀式さえつつがなく行えば、それまでどう過ごすかは、個...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(九)
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
その時だった――床に転がっていた媛子のスマホが急に明るくなった。着信音がみじかく鳴って、その画面に映し出されたのは…――だが、お取込み中のふたりは幸か不幸か、それを知らない。やおら、媛子のうえにのしかかる豊かな胸の厚みが消えた。千華音がゆっくりと身を起こし、はだけた浴衣の前を合わせて髪を結わえなおしている。ひょっとしてもう終わりだったのかな。おなじく身支度をつくろいながら媛子が不思議がっていると、千華音の背面から踊りだしたのは――抜き身の刀だった。ひょっとして気づかれていたの?死の眠りにつかせようとしたことを――?媛子の顔に冷や汗が流れる。甘い夢は、シャボン玉がはじけるようにあっけなくつぶれた。やっぱり、この厳格な皇月の御神巫女を欺くなんて無理だったんだ…!ああ、ごめんなさい、千華音ちゃん。だが、その刀剣は別の...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(八)
昔作った詩と、最近の詩
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現代短歌とエッセイ
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季節の写真と吹く風にしみる心の俳句を掲載します
遥か遠い あの空まで 羽ばたきたい。
遥か遠い あの空まで 羽ばたきたい。
詩を書いていきます(´,,•ω•,,)
俳句を載せてまいります
心からあふれた言葉を激しく詩にしています。あなたに会えて幸せです。