彼女11
「もう!遅い!」 彼女が先に待っていてくれたのは、これで2回目だ。 ほんの少し顔を合わせ難い気持ちのまま、ここへ来た私の中の僅かな曇りなど、 一瞬で吹き飛ばすかのように、 彼女は、いつも通り、太陽みたいな笑顔を向けてくれた。 「随分、待ったわよ。」 ほんの少し膨れた声を出す彼女に思わず笑ってしまった。 「ごめんね。久し振り・・・」 の後に言葉を失ってしまったのは、逢わなかった間に、 彼女が驚くほどに綺麗になっていたからだった。 この感じをどう表現すれば良いだろう。 そう。例えば、光だ。 今の彼女は、思わず見惚れてしまうような美しい光を放っているように見えた。 驚き過ぎて、言葉が出ない私を他所に…